1.3. セル参照

単一のセル、たとえばセル B1 に保存された値は、関数の引数として B1 と入力するだけで参照することができます。

セルは C4 などのフォーマットで参照されますが、この「C」は列ラベル、「4」は行ラベルです。

Example 1-6. 関数シンタックスの例

      =EXP(B1)
      
      =COS(A2)
      
	

1.3.1. 絶対セル参照

セルを参照するには、デフォルトの方法(相対参照)も絶対参照も使うことができます。絶対参照とは、コピーしてもセル参照が変更されないことを意味します。通常は、セル範囲をオートフィルしたり、セルを移動したりすると、元のセルとの関係が維持されるように、セル参照が変更されます。セルを絶対参照した場合は、この挙動は無効になります。

セルを絶対参照する場合は、ユーザが一定にしておきたいと考えるセル座標の前に「$」をつけるフォーマットを使います。すると、列、行、シート、あるいはそれらの組み合わせは一定となります。

Example 1-7. 絶対セル参照の例

	A1          一般的なのセル参照
	$A2         列固定のセル参照
	A$2         行固定のセル参照
	$A$2        列と行の両方を固定したセル参照
	

1.3.2. 複数のセルの参照

複数のセルを引数とする関数は数多くあります。たとえば、コンマで区切られたリスト、配列、あるいはそれらの組み合わせを引数とする関数です。

1.3.2.1. 独立した複数のセルの集まり

コンマで区切られたセル参照のリストは、不連続のセルを指し示すのに使うことができます。

Example 1-8. 関数シンタックスの例

	  =SUM(A1,B2,C4)
	  
	  =MIN(A1,B2,C4,C5,D6)
	  
	

1.3.2.2. 連続したセル領域の参照

複数の引数を受け取る関数の場合は、セルを一つの集合として参照する方が簡単な場合が多くあります。そのような集合は、縦あるいは横のセットの場合もあれば配列の場合もあります。

演算子「:」はセル範囲を示すときに使われます。基本のシンタックスは、「左上コーナー:右下コーナー」の形です。

Example 1-9. セルブロックの参照

	  =SUM(A1:E1)
	  
	  =AVERAGE(B4:E7)
	  
	  =MIN(A1:A5)            
	

1.3.2.3. 不連続な範囲にあるセルの参照

不連続な範囲にあるセルを参照する場合は、上記の方法を任意に組み合わせて必要なセルを取得します。

Example 1-10. 不連続なセル範囲の参照

	  =SUM(A1:E1, B19, L14:L17)
	  
	  =AVERAGE(A1,A3, A5:C5)
	  
	

1.3.3. 他のシートのセルの参照

カレント・シートには存在しないセルを参照することも可能です。これは、NAME ! CELLというシンタックスを使って参照しますが、NAME は識別子(通常はシート名)で CELL は前項で説明した通常のセル参照です。

NAME にスペースが含まれている場合は、その NAME 全体を引用しない限り、NAME 中のいろいろな語を一つの名前として Gnumeric に認識させることができません。たとえば、デフォルトで作成した「Sheet 0」を参照する場合は、"Sheet 0"を使う必要があります。

Example 1-11. 他のシートにある値の参照

	='Sheet 0'!A1+'Sheet 3'!A5

	=SUM('Sheet 1'!A1:'Sheet 1'!A5)